中国「十三五国家科学技術イノベーション計画」、5つの見どころ

2016-08-09 17:45:27

中国国務院はこのほど、「『十三五』(第13次5カ年計画、2016-2020)国家科学技術イノベーション計画」を発表した。新華社 は、計画策定に携わった科学技術部の李萌・副部長、同創新発展司の許倞・司長、国務院発展研究センター技術経済部の吕薇・部長に取材し、5つの見どころに ついて下記のように分析した。


【1】科学技術の発展でイノベーションを重視:「科学技術計画」から「科学技術イノベーション計画」に


従来の国家科学技術計画と異なり、同計画は初めて国家科学技術イノベーション計画と名付けた。


李 萌・副部長:「十三五」計画は、小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的完成と、イノベーション型国家の仲間入りへの重要なステップだ。計画は、経済成 長への科学技術進歩の寄与率を55.3%から60%へ、GDPに占める知識集約型サービス業の付加価値の比率を15.6%から20%に引き上げるなど、 12項目の指標を提起した。これは産業の評価についてバリューチェーンの高度化を促す重要な指標だ。


【2】高いスタート地点:目先のことに囚われず、現状と将来を同時に見渡す


計画では、6項目の全体方針が示された。先ずは、先発優位性を獲得し、現状と将来を同時に見渡す重要戦略の強化を図る。次に、オリジナルのイノベーション能力を強化し、重要戦略のイノベーション力を育成する。


許 倞・司長:中国の科学技術の発展は長期に渡る他への追随から、「先駆、並走、追跡の同時並行」という新たなステップに入った。計画は、先端性と主導性を重 視し、これまでの常識を覆すような技術が産業の変革に与える影響に注目する。たとえば、量子通信と量子コンピュータ、脳科学と類脳研究など、前例の無い技 術を重大プロジェクトの計画に組み入れることだ。


【3】チェーン全体:「象牙の塔」からチェーン全体のイノベーションへ


計画は、「新常態」の下での産業の高度化推進、新たな成長原動力の増強、新たな発展余地の拡大、発展の質と効率の向上に向け、科学技術のイノベーションが主導的役割をどのように発揮するかについて、紙面を割いて詳しく解説している。


李 萌・副部長:この計画は時代の特徴を表す。現実離れした「象牙の塔」の中の計画ではなく、科学技術と経済をリンクさせ、中国を「大国」から「強国」へ転換 させられるようなイノベーション計画だ。国家の重大戦略を支えることが必要で、重大科学技術プロジェクト、国家実験室、国際大科学計画と大科学プロジェク トが重点課題となる。川上の基礎研究とオリジナルのイノベーションから、中流の技術革新、川下の技術普及と産業化まで、チェーン全体で設計を進める。


【4】新しい空間:特定部分のモデリングから多層的な推進へ


計画は、高度な地域イノベーションの構築により、地域全体の協調的発展を図ると指摘。


吕薇・部長:注目ポイントの1つは、地域イノベーションの強調だ。中国は地域によって発展レベルやイノベーション要素の分布、イノベーション能力の差が大きく、歩調を合わせることが難しい。


【5】広い枠組み:受け身の対応から主体的に世界へ融合へ


計画は、世界のイノベーションネットワークへ全方位的に融合し、世界のイノベーション統治の枠組みに深く参画することを要求。


李 萌・副部長:受け身の対応から世界のイノベーションネットワークへの主体的な融合とは、中国のイノベーションに対する自信が強まったことを意味する。中国 の多くのイノベーション型企業は海外で研究開発機関を設立している。中国の科学技術イノベーション力の進歩により、世界のイノベーション地図と産業分布、 経済の枠組みは大きく変わりつつある。